過去の技術職員研修会

第20回 松江高専 実践教育支援センター職員研修会


主催:松江高専 実践教育支援センター

日時:令和3年9月6日(月)

場所:松江高専 会議室、雲南市木次町

受講者:実践教育支援センター職員、他


目的

実践教育支援センター職員の能力・資質の向上を図ることにより、教育研究 支援業務の充実・発展を目指すことを目的とする。


内容

第20回 松江高専 実践教育支援センター職員研修会を9月6日に開催した。

はじめに、高尾センター長の挨拶の後、「中学校の技術教育について~島根大学教育学部付属義務教育学校の取り組み~」 という演題で、島根大学教育学部付属義務教育学校の森下 博之 教諭から講演があった。 冒頭に中学校における技術・家庭科の授業について、実施時間や内容の変遷、学習指導要領改訂の方向性、学習過程を含めた 目標・計画についてなどの説明が行われた。 また、島根大学教育学部附属義務教育学校において、実際に取り組んでいる技術の授業内容について 3年間の内容を紹介して頂いた。 学習指導要領は約10年ごとに改訂されており、教職員においては世代により受けている内容が様々である。 近年、本校に入学してくる中学生たちが、どのような授業を受けているのか具体的に知ることができ、非常に参考になった。

次に、奨励研究報告ということで、表技術専門員の 「複雑なインフラのメンテナンスを楽しく学べる教材への取り組み」 と川見技術長の 「IoTとAIスピーカーで実現する特別支援学校生徒の自立支援環境の構築」の2つの研究報告があった。

午後からは、本校の鳥谷 智文 教授に案内いただき、雲南市木次町の上代鍛冶屋と雲南市歴史資料収蔵センターを 訪問した。上代鍛冶屋は昔ながらの町鍛冶屋で、現在も農具等を受注生産されているが、高齢化や時代の変化により 継続が難しくなっているということである。実際に鍛造を行うところを見学させてもらった。 近年では農具や工具などは、壊れたら使い捨ての時代となっているが、上代鍛冶屋では一生ものの道具を製作されており 破損したら修理して使い続けることを前提にした営業を行っておられる。そのため、修理も溶接による一時しのぎではなく 鍛造で接合し、長く使い続けられるような製品の作り方・修理の仕方となっており、現代の壊れたら捨てるという 大量消費時代に一石を投じるものであった。 雲南市歴史資料収蔵センターでは、上代鍛冶屋や町内のたたら場の工具・設備が収蔵されており、貴重な品を 見ることができた。

コロナ禍ではあるが、県内の中学校の取り組みや、職員の研究発表、県内の伝統技能に触れることができたよい研修だった。